教育課程名:自立活動
実施日:平成29年12月12日(火)第3限:10:45〜11:30
対象児:特別支援学級児童13名
(肢体不自由4名、自閉症・情緒障害3名、知的障害3名、病弱2名、難聴1名)
障害と学年を考慮し、6班のグループでの活動。グループ分けは前回同様
単元名:ロボットやコンピュータとなかよしになろう
本時の学習:コンピュータ「ビスケット」をうごかしてみよう
本時のねらい:論理的思考力と協同作業能力の育成
・Viscuitの構造を理解し、操作することができる
・友達と話し合って、メガネの中に何をどのように入れるのか考えることができる。
これまでの学習は、ピラー型ロボットやOzobotロボット等、ロボットに目的の行動を行わせることにあった。今回からは、iPadを用いて、コンピュータの中で対象物を動かすアニメーションの学習である。対象物を動かすためのコンピュータ言語がビスケットである。ここでは、対象物を動かすための基本であるメガネの仕組みについて学ぶ。まずは、確認ボードで、メガネの仕組みを学習する。メガネの左に対象物を置く。次にメガネの右に対象物を位置をずらしておく。このズレが対象物の動きを制御している。上下、左右、斜め右上、斜め左上などいろいろ置く場所を変えてみて、対象のピラーがどのような動きをするか考える。
次に、ピラーちゃんをいもむしらしく動かす方法を考えてみる。メガネにピラーをどう置けばいいか、伸びたピラー、縮んだピラーをどう置くか、動きを変化させる手順を考え、試行錯誤を繰り返す。
自分で描いた絵を動かす。まずは動かす対象物を描く方法を学ぶ。次に、描いた対象物をキャンバスに置いて、メガネを使っていろいろな動きをさせてみる。メガネをたくさん使うといろいろな動きが実現できることを体験的に学ぶ。
ビスケットの特徴の一つに、各自が自分のiPadで描いた対象物を、共通のキャンバスで動かすことができる機能がある。この機能を使って画面を共有。児童は自分たちが描いた対象物が様々に動く画面を見て感動。最後に、メガネの使い方で気づいた事を発表。皆、アニメーションづくりに興味が持て、自分が描いたものが動いたことが嬉しかったようだ。
・これまでのロボットを使った学習と、iPadでの学習では、具体物の操作と 画面上の操作で、理解の中で随分ハードルが上がった。
・これまでのロボットは直角かもしくは緩やかにカーブする曲がり方であったが 今回のビスケットの絵は斜め移動も可能なので、発想の転換が必要であった。
・ストーリー性が大切なのは理解できるのですが、提示がピラーちゃんだったため、ピラーちゃんの特性や動きがイメージにあり、子供の思考を妨げる作用が働いたのではないか。来週使う魚などを提示し、思考の切り替えをさせたほうが子供には分かりやすい。
・8方向の理解は、視力測定などで日常生活の中で体感したことがあるが、理解、画面上での活用までには、10分という限られた時間の中では、かなりレベルがアップし、8方向を大体理解できたのは数人ではないか。
・学生さんが提示された矢印シート(透明なもの)が、動きの方向を考える上で一番理解の助けになった。
・確認ボードに8方向の向きが書いてあれば、学んだこととの関連性が理解いやすい。
・オゾボットのときのように、方向性が分かる支援ボードがあれば理解しやすい。 ・確認ボードはグループやペアで相談するのによい大きさであったが、iPadは子供たちが今までに家などで使ったことがあるものに比べ、半分の大きさであり、弱視や視力障害のある4名は「見えにくい」と話していた。
・協働作業能力を育成する目的では、確認ボードはグループに1枚とし、iPadは一人一台でもいい。
・はじめに、メガネの仕組みに関する分かりやすい説明がもう少し必要。メガネには動かしたいものを一つ置くこと、左側に入れたピラーちゃんと、右側にいれたピラーちゃんとの関係で動きが決まるなどの理解が、児童にとっては難しい。
・児童も研修に参加していなかった教師も「どうやったら、動くのか(方向などについて)」 はよく分からず、「分からないけど、適当にやったら動いた。」「動いてうれしい!!」という感想だった。試行錯誤でよかったのか?仕組みが分かってから活用したほうがよかったのではないか
・メガネは大きくなることが分からず、小さいまま苦労して入れていたので、拡大できることの説明もはじめに必要。
・児童にとってiPadで絵をかけ、それが動いたのが一番楽しかったという感想。
・特別支援学級でのビスケットの活用では、スモールステップでの分かりやすい説明、補助教材が必要。
平成29年12月19日(火)第3限:10:45〜11:30